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中国語辞典レビュー:第四回《现代汉语八百词》商务印书馆

はじめに:

筆者は中国語学習歴4年のいわゆる初学者であり、ここに挙げる内容はあくまで個人的な感想であり必ずしも正確ではないことをご理解願います。

 

 

ある程度中国語に慣れてくると扱いに困るのが介詞や補語である。

《现代汉语八百词 增订版》商务印书馆 
中古で買ったので少し破れてる...

本書はいわゆる虚詞(介詞、助詞などの機能語)に特化した文法用例辞典である。

 

本書は中国語で書かれているため中級者向きではあるが、東方書店から『中国語文法用例辞典』として日本語訳版が出ているので安心してほしい。

 

収録語数は約1000語で、実詞(名詞などの内容語)の規範を《现代汉语词典》にとるならば、本書は「虚詞の規範」ともいうべき名著である。

 

すべての見出し語に例文が付されており、またその一つ一つの説明が非常に丁寧で

詳しい。

 

さらには中国語の文法の要点も書かれており、その内容も詳しい。専門用語が非常に多く初学者には向かないが、中国語を研究の対象とする者ならばぜひ手元に置いておきたい。

 

ちなみに、学習者泣かせの“了”の解説には8ページもの紙面を割いている。そのほか方向補語や結果補語の解説もしっかり書かれており、まさにかゆいところに手が届くといった内容である。

 

また付録として名詞と量詞の組み合わせが書かれている。その例は名詞およそ400通り分。

同様に形容詞の変化形も一覧で付されている。

 

これらは中国語を学ぶ上での初心者泣かせであり、本書はそのような難しいニーズに真正面から応えてくれている。

 

難点としては、資料としての難しさである。増訂版は1999年出版と少々古く、文法解説は非常に簡便ではあるものの、少し古臭さがのこっている。最新の解説を参照する場合にはあまり適さないだろう。

 

総じて、中級者~が虚詞の用例確認のために参照するうえでは非常に有用な工具書であると言える。

 

なお、筆者は卒論執筆の際、本書に大いに助けられている。出版年が古いとはいえ、今でも研究などで時折参照されており、その地位はもうしばらくはゆるがないだろう。

 

次回は「東方中国語辞典」東方書店の予定です。