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中国語辞典レビュー:第八回 『最新実用中国語辞典』隆美出版

はじめに:

筆者は中国語学習歴4年のいわゆる初学者であり、ここに挙げる内容はあくまで個人的な感想であり必ずしも正確ではないことをご理解願います。

 

 

学習者の中には単に趣味としての語学学習だけでなく、ビジネスなどを目的として中国語を学ぶ人も多いだろう。

 

『最新実用中国語辞典』隆美出版

本書は親字約75000、見出し語約80000とそこまで大きな辞書でもなく、小学館や大修館、東方書店の中国語辞典に比べて本文もそこまで豊富とはいえない。

 

しかしながら、付録におけるビジネス面での機能は目を見張るものがある。

 

付録には中日漢字対照表、常用語彙分類表など他の辞典にもみられるもののほかに、中日英パソコン関連用語500例、ネット・チャット用語、インターネット情報、ブランド・メーカー名一覧などがある。

 

パソコン関連用語ではアセンブラー、イグノア・データなどその方面の者には役に立ちそうな用語が収められている。

 

ネット・チャット用語ではASAPなどの日本でも時々見るものから、斑竹、跟帖などの用語までカバーしている。

 

インターネット情報では中国語総合ウェブページ、サーチエンジン、マスメディアウェブページ、チャットルーム、掲示板がURLとともに羅列されている。

 

ブランド・メーカー名一覧では自動車、タバコ、情報通信、カメラなどの複数の分野にわたり多くの日本、海外の企業名の中国語が収められている。

 

 

これらの情報は他の中国語辞典にはあまりみられないものである。なお、以上の情報は本文には上がっておらず、付録として完全に独立しているようである。

たとえば"奥迪"アウディは奥の項にはなく、付録にのみ挙がっているといった具合である。

 

問題点としては、学習辞典としての機能が非常に弱い点である。

 

付録の中には中国語基本表現形式一覧や相関語句用例一覧もあるにはある。一応例とともに紹介されてはいるが、細かい解説が全くされていない。独学で使うには不便であり、内容を正確に理解するには教師による指導が要求されるだろう。

 

また、出版が2002年ということもあり、特にネット用語に関しては現在の状況にあまり合っていないようである。

 

中国のネット用語は毎日のように出現と消滅を繰り返しており、紙の辞書による対応はそもそも無理があるのかもしれない。

 

また本書では最新の語句を6000語収録していると謳ってはいるが、出版年を考えると小学館や大修館の辞典の方が使い勝手はいいだろう。

 

総じて、初学者や独学者が最初に使う辞典としては明らかに不適切であるが、ビジネスに携わる中上級者には一定の需要が期待されると言えよう。

 

 

 

......なお筆者はビジネスやITには一切の関心がないので、今までにこの辞典が役に立ったことはほとんどない。

 

 

次回は、大学新入生向けに「中国語辞典のススメ」をお送りする予定です。